先日Nintendo Switchで発表された『Nintendo Labo』。
動画を見たとき“シビれた!”というか、“こう来たか!”と思わず唸ってしまった。
自分はEテレの「ピタゴラスイッチ」や「TAKE TECH」、「デザインあ」などが好きなで子供達よりも夢中になってしまうくらいだ。
そのような親であれば今回の『Nintendo Labo』の動画を観て同じような感情を抱いたに違いない。
子供にも動画を見せたが勿論「面白そう!」と興奮していたが、親としても見せたいと思ってしまうのだ。
と思えてしまうくらいこの企画は凄いと思う。
知的好奇心をくすぐるだけでなく、実際に自分で作る、さらには身体を動かして遊ぶ、仕組みも学べる、となればゲーム嫌いな親でもむしろ子供にやらせたくさえなる。
ゲームが主ではなく、「遊び」、「作る」、「好奇心」が主だというところがやられた!なのだ。
ダンボールというところがまたニクい。
子供たちが作る素材としては申し分ない。
そこそこの強度もあるだろうし、壊れたとしてもテープで補強すれば済むことだし、それでもダメなら空きダンボールで自分で切って作れば良いからだ。
今あるハードで遊べてしまうというのもまたニクい。
ソフトこそ買う必要はあるものの、追加で周辺機器などを購入しなくてもすぐに遊べてしまうのだ。
LEGOのマインドストームや最近だとソニーの「toio」、タカラトミーの「COZMO」、(さらに今では小学生8年生特別号の付録にもちっちゃいロボが付いてくるご時世だが値段がそこそこ高い…)など知的好奇心をくすぐるプロダクトは沢山あるが、そのためだけに購入することがまず敷居が高い。
その点、 Switchはすでに持っている家庭であれば敷居が低くなる。
色々作れそう、出来そうに思えるがヤレることが限られているところがニクい。
動画が見る限りでは何か色々なことが出来そうだが、やれることはそこまで複雑なことは出来ないと思われる。
センサーはIRカメラ一つとジャイロしかないし、アクチュエータもHD振動しかない。動画を見るとHD振動をコントロールするくらいのことは出来そうではある。
LEGOのマインドストームの様なセンサー、モーターを組み合わせて、プログラムも自分で組んで作り上げるといった複雑なものは出来ないだろう。
ハードやプログラムを駆使すれば作れるものは凄いが、ある程度の知識や根気がないと形にならないという時点で敷居が高い。
その点、「Labo」はとりあえずダンボールで作ってすぐに遊べる、体験出来る、そういったところで敷居を下げている。
更に動作原理も解説してくれるとのことなので技術などに興味を持ってもらうにはうってつけである。
この辺りはEテレの「TECH TAKE」などに通ずるところでもあり、親も興味を持ってしまうところだ。
オフィシャルにこういった記事があることでもまたもや興味を持ってしまう理由である。
つまりこれは「入り口」でしかないのだ。
多分、最初から他のセンサーやらモーターやらプログラム環境を用意して売り出すことも出来るだろう。
(過去にもファミリーベーシックやロボット、横井繋がりではワンダースワンというハードでワンダーボーグやワンダーウィッチといったプログラム環境やロボなどの環境はいくつか存在はしていた)
あえてそうしなかったのは、これはあくまでも入り口でしかなく、まずは「興味」を持ってもらう、そこから自分たちで何かを作るということが重要ということだ。
では、Nintendo Laboはなにを目指しているのだろうか?
Minecraftのように学校教育で使用されるようなところまでを目指しているのだろうか?
2020年には小学校でのプログラミング授業が必修になる。
また、今後は学校教育でも詰め込み教育ではなく発想力や応用力が重視視されていく。
Minecraftでも自由にブロックを組み上げてクリエイティブな感覚を刺激したり、レッドストーン回路と呼ばれるもので色々な装置を作ることが可能となっていて学習効果も期待されているが、コンピュータ、ゲームの中かは抜け出せない。
LEGOのマインドストームもクラフトもプログラミングも出来るがやはり環境を整備する、実際に作ることも敷居が高いといったところでは教育現場では使用されにくいか。
Switch Laboであれば例えば今後拡張でセンサーやモーター、プログラム環境を用意すれば「プログラム学習」も出来て、「モノづくり」も出来るとなるとMinecraftやマインドストームに引けを取らない教材になりうる可能性も十分に考えられる。
近年はVRや、IoT、ロボット、AIなど色々な技術が融合されていくこととなり、ゲーム業界もコンソールだけでない遊びが今後来ると考えていた矢先にこんなものをだされてしまったら、ゲーム制作に関わる人間としてはこのプロダクトには嫉妬してしまう。