今回のCoderDojoは千葉県合同企画『幕張プレゼンテーションDay』として千葉県にある各CoderDojoが一堂に会するして各DojoのNinjaたちが今までに作成した作品を発表しようというイベントが行われました。
幕張にある『幕張BASE☓LIBRARY』というカフェなどが併設されたイベント会場で行われました。
現在、千葉県内はCoderDojoは9市、14箇所のDojoがあります。
千葉、柏、流山、若葉、柏の葉、浦安、野田、市川、市川真間、木更津、船橋、沼南町、松戸、南柏でCoderDojoの活動が行われています。
これは全国的に見ても他県に比べてDojoの数が多く、かなり活発な活動が行われている様です。
CoderDojoとは?
CoderDojoとはアイルランドから始まったムーブメントです。
ボランティアと小中学生が一緒になり、プログラミングに励む「道場」です。
メンターというボランティアの人がいますが、基本的には手取り足取りは教えてくれません。
自分で課題を見つけて分からないことがあればメンターに聞く、ただしメンターも全ての教えるのではなく、一緒に考えるというポリシーで行われています。
午前の部
今回は子供の人数だけでも40人位は集まっていたようです。
午前中はいつもと同じでプログラミングが行われました。
メインのホールは経験者が集まって、別室は初心者が集まってScratchを使用したプログラム学習を行います。
※メインホールの様子
※初心者ルームの様子
午後の部
午後はNinjaたちの発表会。
<小2以下の部>
作品名「動く四角」
パタパタアニメで動く四角とボタンを押すとランダムで風船や雪の絵が画面を埋めつく作品でした。
作品名「たからさがし」
ねこが冒険をするゲーム。
画面の端にいくと次の面に進んでいく。
蛇を超えて、船にのって海を渡り、ダンジョンに潜って、急に実写の背景に変わったり砂漠を越えたり、空飛ぶじゅうたんに乗ったり、バスケでゴールを決めたりととにかく全部で20面くらいはある超大作となっていました。
途中の船は自分が右に動いて船の先端に行くと船自体が前に進むといった動きをしていたりして小学1年生にしてはかなりがんばって作った作品になっていました。
作品名「野外ダンス(リズムゲーム)
画面下の白いラインのところに上下左右の矢印の絵が流れてきて、紫の範囲でタイミング良く押すとスコアが加算されていく。
ちゃんとリズムゲームとしての機能が実装されていることに驚きました。
これも小学2年の作品です。
<3年生>
発表者が熱を出してしまったらしく、急遽ピンチヒッターで発表することに。
作品名「アドベントカレンダー屋『ちばる』」
1番から4番までの商品が並んでいて買った値段に応じてネコがしゃべるというもの。
1000円、1000円?、50000円、100000円の商品から選択する。
1番の1000円を購入。
ねこ:「うーん、帰ろう...」
良くないセリフらしい...
2番の1000円(多分10000円)を購入。
ねこ:「まぁ、帰ろう...」
少しだけ良かったらしい...
3番の50000円を購入。
ねこ:「これか、帰ろう」
それなりに良かったらしい...
4番の100000円を購入。
ねこ:「いぇい、帰ろう」
かなり良かったらしい...
どれを選んでもなぜ「帰る」のかはナゾだった...
<4年生>
作品名「スクラッチニュース」
いきなりロケットの発射シーンから始まって、なぜかムーンウォークをする人などをニュース形式で伝えていく。
天気予報が流れるのが速い!
作品名「にんじんめざして、うさぎのめいろ」
うさぎがエサのにんじんを求めて迷路を進むゲーム。
折り紙のウサギが主人公。
全部で5面の予定とのコトだがいまは2面までしかできていないとのコトです。
メンター(指導者)発表
「MineCraftをScratchから制御する」
ScratchXというスクラッチを改造できるシステムを利用してMinecraftのシステムに繋ぎこんで操作してしまおうというプレゼン。
拡張されたScratchで専用のコマンドを用意してMinecraftサーバーにメッセージを送ることでMinecraftを操作できるようにしているとのコトです。
「Wi-Fiマイコンを使用したラジコンタンク」
ESP-WROOM-02というWi-Fiに接続可能なマイコンを使ってラジコンタンクを作ったというプレゼン。
タンクのほうがWi-Fiのアクセスポイントになってスマホでアクセスすることでコントロールすることができる。
スマホ側にはプログラムの実装は無く、スマホのブラウザから接続するとコントローラーの画面が表示されてラジコンを操作することができる。
システム構成は以下の通り。
タンク側
- Wi-Fi AP
- HTTPサーバー
- WebSocketサーバー
スマホ側
- Wi-Fi APにアクセス
- HTTPアクセス
- タップ情報をWebSocketで送信
ということで実演。
「Scratchスカウター『コード忍者の里』」
Scratchプログラムの戦闘力を測定するというプレゼンです。
ループや分岐を計測してどれだけの複雑度やどういうプログラムが書かれているかを解析するプログラムとのことです。
何に使うの?
1.他人のプログラムがどのように作れているかを知ることが出来る。
2.自分の修行の成果を見ることができる。
3.どのような教材を使えばいいかわかる。
4.大人のようなプログラムを作るにはどうしたらよいか知ることができる。
5.(メンターにとってニンジャの作ったプログラムの概要が一覧で把握できる)
これで大人と子供のプログラムの違いもわかるとのことです。
手裏剣集め(サンプル集)を使って作っていくと若いニンジャは力を求めて暗黒面に陥ってしまうのでやり方を考え直しているところとのことです。
Scratch開発者のレズニックさんの言葉で「大切なこと」とは以下のことです。
創造性:新しく、楽しいものをつくること。
協力:みんなで力を合わせ、助け合いながら作ること。
論理的思考力:でも、物事を正しく見て、考えることも必要。
なかなか興味深いプレゼンでした。
「つどえ!ブレーメンのおんがくたい!」
Unityで作られたゲーム。
特定のポイントにロバを移動させると次に犬が出てきて、先程のロバの上に乗っかると次にネコが出てきて、ニワトリが出てきて乗っかるとゲームクリア。
<5年生>
作品名「Scratch空手」
二人で対戦する空手ゲーム。
作品名「マルチシューティングゲーム」
二人のプレイヤーで遊ぶ対戦シューティングゲーム。
上下にいるプレイヤーを操作して弾を打ち合って戦うゲームです。
作品名「ねずみからにげろ」
動き回るネズミにぶつからないように100秒逃げ切るゲーム。
ネズミにぶつかるとHPが減少していき、0になるとゲームオーバー。
<6年生>
作品名「猫のダンジョン」
オープニングシーンも実装されている。
スタートするとドラクエ風の街の絵が。
とっても物悲しいBGMが流れはじめて、街にNPCが一人だけ立っている。
話しかけると外に出られるようになって、ダンジョンに移動します。
ダンジョンを進むと奥にボスがいてボスとのバトル。
ボス戦はなぜか弾を打ち合うゲームになっていました。
作品名「シューティングスター」
横スクロールのシューティングゲーム。
最初にステージ選択画面があるがまだ1ステージしか出来ていないとのこと。
敵を倒すとアイテムが出て取るとビームの連射間隔が速くなったり、太くなったりします。
ボスまで行くと上下から隙間の壁が降りてきて隙間の安全地帯で回避しながらボスを倒すという仕組みになっていました。
作品名「豆腐が挑む冒険」
いわゆるスーパーマリオのようなプラットフォームゲーム。
「なんか見たことあるよね?」
「マリオみたい!」
「今、マリオって言った?マリオじゃないよね?」
途中、?マークのボックスのようなもの出てきて会場も爆笑に包まれていました。
バグがあったみたいで途中で進めなくなってしまったらしく
「チート機能で進めます」
「スペースキー押すと一撃で殺せるようになります」
といって進めていました。
チート機能で会場も盛り上がっていましたが、これってゲーム開発で行われるデバッグ機能を知らず知らずのうちに実装していることになるんですよね。
そういうところに気がついて効率よく確認できる環境を整えるという考えがとても重要です。
CoderDojo柏の活動
CoderDojo柏の活動はかなり盛んの様です。
柏市内で4箇所のDojoがあり、各Dojoの運営も学生が主体で行っているそうです。
また、柏市は2017年から市内の小学校でプログラミングの授業を開始しており、CoderDojo柏と協力しながら取り組んでいる活動を行っているそうです。
最後に
プレゼンというはピアノの発表会などとは違って自分で考えて作ったプログラムを自分の言葉で発表していかなければならないので、こういう場でプレゼンするという体験は子どもたちにとっても貴重な体験となったと思います。
というかみんな堂々とプレゼンしていることに驚きました。
他の地域のCoderDojoには足を運んだことがなかったので活動内容を知ることが出来てよかったです。